2021年6月9日水曜日

空の緑 

 第1部の粗筋    その1


 主人公のシオドアは中米のセルバ共和国で記憶喪失のまま暮らしている。彼が巻き込まれたバス事故の関係者を調査しに来たケツァル少佐に身元調査の依頼と彼女の仕事の手伝いをすると言う交換条件のもとに、鉱山街の実力者の家へ行く。そこで少佐が行った「仕事」は悪霊退治だった。実力者の家の実権を握る執事は、アメリカの某研究機関と取引をしており、シオドアはそこの研究者の1人だと言われる。シオドアは自分の正体を確かめにアメリカへ行く。

 アメリカの研究所でシオドアは記憶を失う前の自分がものすごく嫌な人物だったことを知る。それも遺伝子操作実験で生まれた3人の子供の1人で甘やかされて育ったからだ。シオドアは帰国してから人格が変わり、周囲の人々の気持ちがわかるようになるが、育て親の科学者たちや、同じ実験で生まれたエルネストとアリアナとは心が通じなかった。そんな時、中南米考古学の博物館で土産物を買った助手が突然精神に異常をきたし事件を起こしてしまう。シオドアはセルバ共和国のケツァル少佐に助手を救って欲しいと電話をかけるが、あっさり断られる。

 事故に遭う前に何の研究をしていたのか調べていたシオドアは、資料の中に奇妙な遺伝子を持つセルバ人のD N Aを見つける。その正体を調べるために、彼は研究所に頼み込み、セルバ共和国の大学で客員講師の職を得て渡航する。悪戦苦闘の末に何とかケツァル少佐とその部下達が働く文化財保護担当部と接触することに成功する。しかし散歩中にうっかり「曙のピラミッド」の禁忌のラインを踏み越えてしまう。種族の秘密を守る役目をする部族「砂の民」の制裁を受ける恐れがあったために、ケツァル少佐は彼をジャングルの中の遺跡発掘現場へ送り込む。シオドアはそこで彼女の部下ステファン中尉とロホ(マルティネス)中尉と共に不思議な古代の儀式を体験する。しかし、そのことが考古学者に「空の緑」への余計な興味を抱かせる結果となってしまう。首都に戻ったシオドアはケツァル少佐の部下アスル少尉の故郷「異次元の森」へ幽閉される。

 自力で「異次元の森」から脱出したシオドアは偶然ステファン中尉と出会い、彼のアパートに保護される。中尉は少佐を呼び、シオドアは彼等に彼が発見した「空の緑」と呼ばれる古代人のD N Aがセルバ人の多くにまだ受け継がれていることを聞かされる。シオドアは既に遺伝子学者としての興味を失っており、事故の時に彼を救って面倒を見てくれた田舎町の警察署長ゴンザレスとの生活を望んでいた。彼は大学の職を捨てて、ゴンザレスがいる町へ逃げて行く。

 田舎町でゴンザレスと暮らしていたシオドアは反政府ゲリラに誘拐される。シオドアは一頭のジャガーに助けられるが、それはロホが変身した姿だった。ロホの指示で遺跡に隠れていたシオドアだったが、救援を求めに下山したはずのロホは戻らず、代わりにケツァル少佐とステファン中尉と出会う。彼等は行方不明になったロホを探しに来たのであって、シオドアの救出に来たのではなかったが、ロホがゲリラの罠に掛かって捕まったと推測した3人は救出に向かう。そこでシオドアは「空の緑」の超能力をいくつか見せられることになる。

 首都に戻ったシオドアはビザが切れて密入国者となっている。彼は正式にセルバ共和国の市民権を取るために、アメリカの研究所に残してきた「空の緑」のD N A資料を処分しようと、わざと本国に強制送還される。その際に護送担当官としてステファン中尉とカメル軍曹が同行するが、アメリカに入国すると2人は姿を消す。

 シオドアは研究資料を破棄しようと試みるが、いくつかはエルネストが所持しており、妨害が入る。そのうちに中米の考古学美術品専門に狙う泥棒の存在がニュースで報じられ、シオドアは同行した2人のセルバ兵の仕業だと気が付く。セルバ人兵たちは、「空の緑」の遺物を消して回っていたのだ。シオドアはステファン中尉に接触を試み、危険なので早く帰国するよう忠告する。しかし、調子に乗っていた2人の兵士はある晩、失敗して警察に追い詰められる。

 カメル軍曹が死に、黒いジャガーが警察に追われていると知って、シオドアはジャガーがステファン中尉の変身だと察する。セルバ大使と連絡を取り合い、中尉との再度接触を持とうとするが中尉が現れたのは、アリアナの前だった。

 人間に戻ったステファン中尉は、アリアナに呼ばれて来たシオドアに意外な事実を伝える。彼はカメル軍曹に暗殺されかかったのだ。大使を介して連絡を受けたケツァル少佐とシオドアが合流する間に、アリアナはステファン中尉と関係を持ってしまうが、そこへ遺伝子研究所の依頼を受けた警察が乗り込んでくる。

 研究所に捕らえられたステファン中尉を救出する為に、シオドアも故意に研究所の奥へ幽閉される。打ち合わせ通りにケツァル少佐が彼等を救出して、アリアナも含めて彼等はセルバ大使の私邸へテレポートする。

 そこでシオドアは中尉がカメル軍曹に殺されかけた話を伝え、大使からステファン中尉の出生の秘密を聞かされる。

 セルバ共和国に渡ったシオドアと成り行き上付いてきたアリアナは亡命申請を出す。2人は観察期間を与えられ、首都で指定された職に就く。アリアナはステファン中尉に強い恋心を抱いてしまい、シオドアを悩ませる。何故なら、ステファン中尉は「空の緑」の大神官の血統で、結婚相手が決められていたからだ。婚約者は、ケツァル少佐だった。純血種で強い超能力を持つ彼女に引け目を感じていた混血のステファン中尉はそれまで超能力を使えなかったのだが、アメリカからの脱出劇で能力に目覚めていた。

一方、シオドアは「曙のピラミッド」の中に隠棲する巫女と心の会話を行い、セルバ共和国に住むことを許される。

 博物館のミイラの中から「空の緑」のものだけを探し出せと言う依頼を受けたシオドアは、ケツァル少佐と好奇心旺盛な若いマハルダ少尉と3人で博物館に泊まり込む。2人の「空の緑」は死者の霊が見えるが、声は聞こえない。シオドアは霊を見ることができないが死者の声を聞ける、と言う特異な長所を買われたバイトだった。そこでシオドアはセルバ考古学の権威ムリリョ博士と知り合う。ムリリョは「砂の民」の長老だった。

ミイラ探しのバイトを終えたシオドア達の元に盗掘・美術品密売組織の元締めを追い詰めたと言う連絡が入り、ケツァル少佐とマハルダ少尉は現場へと向かった。シオドアは家に帰ったが、やがて組織と政府軍の戦闘が終了し、少佐が負傷したことを知った。

 病院に少佐を見舞うと彼女は元気だった。シオドアと2人きりになった時、彼女は彼に、銃弾は敵のものではなく味方から発砲されたものだと語った。彼女が狙われたのではなく、標的はステファンだと聞かされたシオドアは、純血を重んじ混血の「空の緑」を排除したがる「砂の民」に直談判するつもりで、少佐と共にムリリョ博士に面会を求めた。

 ムリリョ博士は白人のシオドアに一族の秘密を打ち明けることを渋ったが、ピラミッドの巫女の許可を得て、50年前の事件の真相から語り始めた。(この事件は1冊目の後半に考古学者の世間話で語られ、2冊目でその考古学者が突然死亡し、3冊目でステファンが事件関係者の子供だと判明している。)

 一族の秘密を守る目的で純血種を復活させる長老達の身勝手さにシオドアは呆れたが、それを立ち聞きしていたステファンもショックを受ける。さらに出生の秘密を知ったステファンは婚約者のケツァル少佐が異母姉だと知って衝撃を受けるが、それはシオドアも同じだった。「空の緑」にとって母親が同じならば兄弟姉妹、違えば父親が同じでも他人なのだった。遺伝子学者の立場から結婚に反対するシオドアとカトリックの家庭で育った為に一族の考え方を容認出来ないステファンに、ケツァル少佐とムリリョ、ロホ達は「いずれ慣れる」と言うのだった。

 数日後、アリアナが何者かに誘拐される。ステファン大尉(2冊目の終わりで昇級)の暗殺を企む長老の1人トゥパルが攫ったのだと判明する。シオドアは残された手がかりからアリアナが連れて行かれた場所を特定し、ケツァル少佐達と鉱山の廃坑に侵入する。そこでトゥパルの妖術に悩まされながらもアリアナ救出に成功した彼等は、その後で「空の緑」が古代から守ってきた不思議な宝物を発見する。そこへ、トゥパルが最後の攻撃を仕掛けてくる。

2 件のコメント:

  1. 小説!!遠き過去に諦めましたわ。世界感の発想が平凡で・・・あと物語が天から降りてこずで・・・漫画も挑戦しましたが、同じようでダメで〜どうも長い文章や物語を継続して書く能力と根気がないみたいで・・・最近はKindleで読むので、できればテキストデータとかPDFを添付してもらえるとありがたいです。

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