2008年4月3日木曜日

この世の全て

朝目覚めてベッドから出て服を着るとバスルームで顔を洗い、部屋を出た。朝食は何にしようか。
 クルマに乗って走り始めた。すぐにガソリンが残りわずかだと気づき、ガソリンスタンドに入った。自分で給油する。この店はまだ大丈夫な様子。
給油が終わったら、スーパーに直行。
 果物コーナーでグレープフルーツを取り、パンと牛乳、コーヒーもゲット。
 食事を済ませると、本屋に行き、読みかけの本を一時間ばかり立ち読みした。それからヴィデオ屋に行き、店のテレビで「ライジング・サン」を鑑賞した。ショーン・コネリーの声が懐かしい。
 家で見る為のヴィデオを数本クルマに積む。
 次に洋品店で新しい服と下着を仕入れ、昼食の為にファーストフード店に行った。
 自分でハンバーガーを作り、焼いて食べた。
 携帯電話ショップ、旅行代理店、ギフトショップ。 かつて楽しかった店が今はちょっと空しい。
 夕食の材料として牛肉と野菜を手に入れた。肉はともかく、新鮮な野菜はあといつまでだろう。畑を耕すことを覚えた方が良いかもしれない。
 家路につく。どこかで「夕焼け小焼け」が鳴りだした。かつて子供たちに帰宅を促す為に流されていたメロディだ。
 もう子供たちはいない。
 親たちもいない。
 年寄りもいない。
 いるのは私だけだ。
 私が最後の人間。
 そして、何故か電力供給だけはコンピュータが正常に動いているらしくて、私は暮らしていける。肉も魚も冷蔵システムが正常に動いている限り、私は不自由しない。ガソリンも着る物も、この世に残された物は全て私の物になった。宝石もお金も、全部私が自由に出来る。

 だから? それでなんだって言うの?

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