2009年5月16日土曜日

「いつも三人」

 洋子が嫁いで来た時、田宮家は既に透と母親の二人暮らしだった。家族が増えること、それも「娘」ができる、と母親はたいそう喜んだものだ。買い物にも洋子と二人でそろって出かけることを楽しみにしていた。洋子もすぐに馴染んで、姑との買い物が当然のものとなっていった。
お魚は三匹、お肉は三人分、野菜も三人分、食器もおそろいのを三人分・・・
なんでも「三人分」だった。

 突然の事故が、田宮家を再び二人だけの家に戻してしまった。
透は哀しみが癒える頃、家庭内の様子が少し違うことに気づいた。
二人しかいないのに、いつも食事は三人分用意されている。
なんでも「三人分」だ。
最初は、ちょっと戸惑った。
「でも、私たちは三人なのよ。」
と洋子が言う。
そうだね、と透は頷いて見せた。それで妻の心が慰められるのならば。

 喪が明けて。休日にお寿司を食べようと言うことになり、二人はバスに乗ってちょっとばかり遠出した。二人になってから昼間家の中に閉じこもりがちだった彼女も、気晴らしになると喜んだ。
初めての店に入った。会社の同僚から「美味い寿司を出す」と評判の店だ。
「へい、らっしゃい!」
威勢良い板前の声に迎えられ、カウンターに座った。
おしぼりが出された。
「え?」
おしぼりは三人分だった。お茶も三人分が置かれた。
横を見ると、彼女がルンルン気分で使っている。

気にならないの?

透はちょっと心配になる。何も知らない板前が無邪気に尋ねた。
「何になさいます?」
一瞬躊躇する透の代わりに、母親が返答した。
「まずコハダ、それからマグロ、嫁にはヒラメとトロを握ってやって。 透、あんたは?」
透は板前を見た。板前は、彼女の言葉に全く疑問を抱いていない様子だ。ニコニコと透の返答を待っている。

この板前には、見えているんだ・・・

透は板前を怖がらせる必要はないと判断した。
「僕は海老とコハダ・・・」

他の客が不思議そうにこっちを見ていたが、透はもうかまわない、と思った。
僕らはいつも三人なんだ。
洋子とお袋と僕と・・・

帰路は、川端の道を三人で歩いて帰った。
夕暮れの風が爽やかに吹いて行く。
「いつまでも、こうしていたいわね。」
と母親が言った。
「でも、私がいたら、ご迷惑でしょう?」
と洋子。
「そんなことないわ。私は貴女とずっと一緒にいたいのよ。透が将来再婚したとしても、私は貴女と一緒に暮らしたいわ。」
「そんなの、駄目です。新しいお嫁さんも可愛がってあげてくださいよ。」
洋子はちょっと恨めしそうな顔をして、川っ縁の柳の木の下に立った。

「ほら、新しいお嫁さんと幸せになってくれなきゃ、化けて出ますよ〜」

2009年5月5日火曜日

中区天田の加都良神社

偶然地図を眺めていて発見した第三の加都良神社。
隣の量興寺さんは道標があるので知っていたが、この神社は普通の地図では記載されていなかったので、わからなかった。杜を見て、あれはお寺ではなく神社ではないか、と以前から疑っていたが、やはり神社だった。
周囲は完全に田圃に囲まれている聖域である。




境内。そんなに広くないけど、いい感じ。狛犬さんが、ちょっと変わってるぞ・・・




本殿。 シンプル。




をを! 珍しく彩色された狛犬。まだ新しいのだろうか?




吽さんのお口も赤い。




阿さんのお尻。可愛い♪




摂社も入れて、吽さんのお尻。こっちも可愛い。




鳥居の外は蓮華田。 遙か向こうに旧鍛冶屋線の列車が見える。




白藤




水田を利用した池と浮き御堂。花菖蒲でも植えるのかな?と思ったが、HPを見ると蓮池らしい。



浮き御堂から見た加都良神社




お隣の量興寺

八千代の神社

八千代区は、同じ町内でありながら、自分にとっては未知の世界に等しい。
道も狭い。

大屋 鹿子神社




鹿子神社 境内社二社




鹿子神社 本殿彫刻 麒麟?  何故かカメラ目線。




鹿子神社 本殿彫刻 虎





中村の貴船神社




貴船神社 拝殿




貴船神社 本殿




仕出原の天満宮




天満宮 本殿(左) 摂社(右)

2009年5月4日月曜日

今日の丹波

春が散り始める高座神社

Spring is going away at Takakura shrine.




高座神社の藤

Wisteria flowers at Takakura shrine




佐地神社の新緑

Fresh greens at Saji shrine




柏原八幡の三重の塔と新緑

Fresh greens and the three-stories pagoda at Hachiman shrine in Kaibara




新緑の岩瀧寺

Ganryu-ji temple with fresh greens




新緑と独鈷の滝

Dokko the waterfall and fresh greens




独鈷の滝 滝壺

The basin of Dokko the waterfall

2009年5月2日土曜日

下戸田 再び

神社の写真だけ載せるのもなんだから、周辺の写真もアップ。

境内正面。 ちょっと雑草が目立つけど、佳い感じの神社。

In front of the shrine yard. There are overgrown with weeds but the shrine looks nice.




玉垣越しに本殿。

The main shrine behind the fence called Tamagaki.




本殿。とても小さな神殿なのに、仕事は丁寧。

The main shrine. It is very compact but they were conscientious in their work.




本殿彫刻。 麒麟かな? 

Statues of the main shrine. Maybe Kirin ?




鳥居の外から神域を見る。 かなり広い広場。普段は病院職員の駐車場になっている。

Looking at the sacred area from the outside of the Torii gate. A wide space. Usually they use this place as parking space for workers of the Nishiwaki Hospital.




神社側から鳥居を見る。 緑が豊かな風景。 土手の向こうは加古川。

Looking at the Torii gate from the shrine. Fresh greenery. The Kakogawa River is flowing behind the bank.




神社を後にして、路地を覗いてみる。特徴的な屋根の建物は織物工場。

After leaving the shrine I looked into an alley.
A house with a characteristic roof is a texitile factory.




路地。黒い板壁の建物は、かつては播州織りの織物工場か何かだったのだろう。
今はガレージや物置になっている。

Back alley in Shimotoda. A house with black wooden walls must have been a texitile factory or something. Now it is used as a garage or shed.

2009年4月29日水曜日

下戸田の大歳神社

職場のすぐそばにある大歳神社。
加古川が大きくカーブしている内側に鎮座している。
Tさんが近所に住んでいて、冬にふいご祭りをすると教えてくれた。
ふいご祭りならば、鍛冶の神様なのだろう。
天目一箇神に関係するのだろうか。
Tさんは「川が氾濫するのを抑える為に、そこに神社を置いたのだろう」と言っていた。

2009年4月26日日曜日

播州の桜も終盤

播州峠のトンネルを抜けて坂を下って行くと、山寄上の集落を抜けます。
年に二度紅葉する楓が真っ赤になっています。その向こうに明るい花の色が見えてきます。
路線バスも楽しそうです。

Driving down along the highway after going through the Banshu tunnel we went though the village of Yamayorigami.
Japanese maple trees which color their leaves twice a year now have red leaves.
Over there you can see bright colors of blossoms.
Bus looks fun to go.




去年も撮影した山寄上の桜スポットです。

We got at the Sakura spot at Yamayorigami where I took a photo last year too.




国道に沿って八重桜が植えられています。
里のソメイヨシノが終わった後で咲くので、長く楽しめます。

Along the highway R427 there are double-flowered cherry blossom trees planted.
Those trees bloom after Someiyoshino which bloom in lower places puts an end in their blooming, and you can enjoy Sakura long.




道路脇に少しスペースを取って桜を見るためだけの公園になっています。
ベンチも何もありませんが、クルマを駐めることが出来ます。
秋は紅葉が楽しめます。

They took a space for enjoying cherry blossoms as a park.
You can park your car thought there is no bench or chair.
You can enojoy colored leaf when Autumn will come.




桜の花びらが風が吹く度にはらはらと舞い落ちます。

Petals falls with dancing in every wind.