2011年6月28日火曜日

猫の話

先月の終わりだったか、会社の駐車場で、それも私の車の横で、子猫が死んでいた。
隣に駐車するIさんが轢いてしまったのだ、と目撃者の社員が教えてくれた。
頭部を轢かれて、もう手の施しようがなく、私が見つけた時は既に死んでいたのだった。
駐車場は猫のたまり場みたいになっていて、いろんな猫が遊んでいたのだが、その子猫の事故以来、駐車場から猫の姿が消えた。


今月になって、猫たちがちょっと顔を見せるようになった。しかし以前の様なおおっぴらな行動は見られなかった。

今朝のことだ。いつもの様に、本社から倉庫へ出かけようと自分の車のところへ行ったら、隣のIさんの車の下に猫が一匹うずくまっているのが見えた。
毛並みと言い、大きさと言い、先月事故死した猫とそっくりで、少しだけ大きいのだから、きっとあの子猫の兄弟なのだろう。
それが子猫が死んでいた、丁度その場所にうずくまっていた。
また事故に遭っては可哀想と思ったので、後ろで足踏みして脅かしてみた。
猫は、案の定、車の外から飛び出して、溝を渡り、隣の駐車場の車の下へ。
そこで立ち止まって、こっちを見た。
その時だった・・・

Iさんの車の下から、さらに猫が一匹、二匹、三匹・・・黒猫、白ネコ、キジ猫、斑猫・・・猫がぞろぞろ出てきて、四方に散った。
私がびっくりしていると、彼らは一斉に足を止め、私を振り返ったのだ。
私はそれぞれの猫たちを見回した。猫たちは丸い目で、私を見ている。

猫の集会だ。

そう思った。猫が集会を持つのは有名な伝説だ。
この猫たちは、事故があった場所で、死んだ仲間を悼んでいたのだろう。
きっとそうに違いない。
私はじっと見つめる猫たちに、こう言うのが精一杯だった。

「車の下は危ないよ。」


2 件のコメント:

  1. 猫は車の下とかタイヤの上で寝るから困るわね。
    冬はボンネットの上で暖まってるけれど、夏は下だから、危ないわ。
    エンジンかけてもヘッチャラで寝てるから4輪全部チェックしないとね。
    駐車場では猫に嫌われてもいいと思って脅かします。心を鬼にしてます。じゃないと、曵かれちゃうもんね(涙)

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  2. 以前から危ないな、って心配だったので、自分の車には気をつけていましたが、まさか隣に駐まっている車が・・・でした。
    子供の時に飼っていた猫が同じ形の事故で死んでしまったので、猫が車に近づくのは本当に嫌なんです。

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