2010年2月25日木曜日

聞いた話

奈良県に住む友達の娘が中学生の時の話。

クラスの仲良しばかり数人で、近所の山へハイキングに行った。
森の小道を散策し、なだらかな斜面で町を見下ろしながら、お弁当を食べ、道中お喋りしながら、半日楽しく過ごした。
途中で、誰かが草むらに白い木の破片の様な物が散らばっているのを見つけた。
真っ白だったので、注意を惹いたのだ。よく見ると、動物の骨らしい。
友達の町では、珍しくなかった。奈良県は鹿が多く、ちょっと藪に入ると自然死した鹿の亡骸などを見つけることもあるのだ。
友達の娘は動物の骨に興味がなかったが、物好きな女の子が一人、大きめの骨を記念にと拾って帰った。

その夜、友達の家に警察官が来た。
骨を発見した時の状況を詳しく知りたいと言う。
なんでも、拾って帰った子の親が、その骨を見て、鹿の骨ではない、と感じて、警察に通報したのだと言う。
警察でも、それは人の骨だろうと言うことで、検屍官に見せ、果たして人骨であると確認されたのだ。
友達の娘はどきどきしながらも、しっかりと見つけた場所や骨の散らばり方、他のゴミと思われた遺留品などを語った。

警察官は彼女に感謝して帰って行った。
友達の一家はその夜、ちょっと興奮してよく眠れなかった。
学校でも、その話でもちきりになった。警察官はあの時ハイキングに参加した子供たち全員の家に来ていた。不思議なことに、それが全部同じ時刻だった。ちょうど子供たちが好きなドラマが終わった時刻だったので、みんな覚えていた。
友達はちょっとおかしいな、と思った。10人近い子供の家に一斉に事情聴取に来るものだろうか。警察官がそんなに大勢繰り出すような事件なのだろうか。
友達は警察に電話してみた。あちらこちらと電話は回された。と言うのも、友達の家に巡査を寄越した刑事とか、捜査課が見つからなかったからだ。
最後に、骨の通報を受けた刑事がやっとつかまったが、巡査を生徒の家に派遣した覚えはないと言う。
「確かに人骨でしたが、自殺者と思われ、事件性もないので、そんな夜分に子供さんから事情聴取するようなことはありません。」

では、子供たちの家に同時に現れた警察官たちは何者だったのだろう。
切れ長の涼やかな目に、かすかにニキビが残っていた頬、きりっとした薄唇、顎の左にあった黒子・・・目撃者の証言は全部同じだった。
そして、一つ判明した・・・

心神耗弱状態で数年前に退職した元警察官が一昨年の末から行方不明だったこと。

2010年2月23日火曜日

酒蔵のレストラン ふく蔵

Fukukura, a restaurant in a sake brewing factory.

富久錦酒造の工場内にある、酒蔵レストランふく蔵で夕食を取った。



社名入りの高い煙突が誇らしげに立っている。
足下に行灯型のライトが光っている。煙突の向こうに店の入り口。



店内。
一階がお酒と食品の販売店、二階、ロフトみたいな場所がレストランの客席。
半分テーブル席で、対側が座卓席。
蔵なので、二階はかなり高い位置にある。
真ん中は吹き抜け。
料理は、いかにも酒屋らしく肴になる料理。
酒粕のクリームシチューは絶品だった。
御飯は全部釜炊き。今回は穴子御飯。



食事が終わるとすっかり夜になっていた。

春を探そう たつの市

Let's search for Spring. Tatsuno City.

綾部山からの帰り、たつの市街地に立ち寄った。
町全体がレトロな雰囲気に包まれて、ちょっと不思議な感じの町。

On our way home we dropped into Tatsuno City.
The whole town was in nostalgic atmosphere. A mysterious town.






龍野城祉 城門

Tatsuno Castle ruin. The gate.







お寺でジャズ・コンサート。

A jazz band was playing on gig at a temple.




龍野薄口醤油資料館。 入館料10円。




大正モダン

Taisho Modern






レトロだが、ちゃんと現役の姫路信用金庫。

Tatsuno branch of Himeji Credit Bank ( Hime-Shin ) looks retro but on active service.

しかも、しっかりセコムしていた。



姫信の窓。 気泡が入ってる手作りガラスは年代物。

A window of Hime-Shin. Hand-made glass has air in it, antique.



たつの市は、和菓子屋が多く、寺院もたくさんある。大正時代から昭和初期の家もたくさん残っているが、その大半が空き家の様で、朽ちかけている。
レトロな雰囲気がとても魅力的な町なので、勿体ない。町の外でも良いから、どこかに駐車場を造ったり、休日だけでも駅からバス輸送を増発したりして、もっと観光客を呼んでも良いのではないだろうか。このままでは、折角の町がどんどん廃墟だらけになってしまいそうだ。

春を探そう  綾部山梅林

Let's search for Spring ! Ayabeyama apricot orchard.

日曜日、お天気が良かったので、綾部山梅林に出かけた。

Last Sunday it was fine and we visited Ayabe apricot (Ume ) orchard.

梅はまだ半分ほどしか開花していない。満開の木と蕾の木、はっきり二分される。

Only a half trees have blossoms.



たくさんの見物客の中に、仲良く歩く老夫婦。





花より人気があったお地蔵さん。

A Jizo statue was more popular than blossoms.





先刻の老夫婦が梅の下で休憩していた。

That elder couple were taking a rest under an Ume tree.



山の入り口近くに池があって、ハクチョウとカモがいた。
ハクチョウは飼育されているのだろう。

Near the entrance there is a pond. A swan and some wild ducks were playing there.
The swan must be kept there.

2010年2月20日土曜日

今日の散歩

今日はお天気が良かったので午後に散歩に出かけた。

Today we had a fine weather and I went out on a walk in the afternoon.




稲荷神社の参道を見返る。川に赤い欄干の橋が架かっているのだが、白飛びしてしまった。

Turned to the approach of the Inari shrine. There is a bridge with red balustrades over the river but it can't be seen because of white-out.




稲荷神社の鳥居。川の反対側にある。この鳥居は内側からも外側からも絵になるのだが、残念なことに先日から国道で年度末の工事が始まって、外側の写真は撮らなかった。

The Torii gate of the Inari shurine is on another bank of the river.
This Torii would make a good painting from any angles but I didn't take a picture of it from the outside because they began reconstruction of the highway on the other day.




鳥の写真はこちら

There are pictures of birds.

ちょこっと寄り道してください

スジ

美容院で先生に髪を切ってもらっている時、アシストさんが出勤してきました。挨拶しましたが、何かちょっと不機嫌な表情。私と先生が二人で盛り上がっていたのに嫉妬するはずもないし、何かあったのかな、と思っていたら、そのうち、こんなお話を始めました。

昨日、アシストさんは自宅でスジ(牛スジ)を煮込みました。自分でもなかなか美味しく煮込めたと思ったそうです。固い部分が少なくて、ゼラチン質のプルプルが多く、出汁をしっかり出して、また味もよくしみ込んでいたそうです。
そして、今朝、アシストさんが起きて二階の寝室から出て階段を下りると、下で姑さんが待ち構えていて、いきなりアシストさんに苦情の申し立てを始めました。
なんでも、昨夜、隣家の息子が遊びに来て、アシストさんの息子と一緒に晩ご飯を食べた時に、当然お総菜にスジの煮込みも食べました。
姑さんはそれが気に入らなかったらしいのです。

「あんな美味しいスジ煮込みは二度と食べられないかも知れないのに、どうしてあかの他人に食べさせた!私が今朝食べようと思ったら、もう残っていないじゃないか!!」

と言う訳です。
アシストさんは、「たかがスジ煮込みでなんで朝っぱらから文句を言われなければいけないのか、これから機嫌良く仕事に行こうとしていた時に・・・スジなんて、これから何度でも煮込んであげられるじゃないの」
と不満だったので、不機嫌だったのです。

スジの通る話でしたでしょうか?

2010年2月8日月曜日

京都和菓子ツーリング 4

幹事さんがお茶を飲むために予約したのは、朝黒胡麻団子を買ったお店のすぐ近くにあった和菓子屋さん。せま〜〜〜〜〜い路地の中にあります。立派な駐車場を持っているのですが、お店そのものが菓子屋に見えなかったので、家人は前を素通りしてしまい、数分間迷子に・・・お友達が電話をくれてすぐ合流出来ました。(碁盤の目の土地なので、ぐるりと廻って戻って来る。)

お菓子屋さんは、どう見ても、料亭にしか見えません。

立派な門構えで、門に暖簾が下がっていて、「菓子匠 ○○」とあります。
門をくぐって玄関まで数メートル庭を歩きます。お菓子屋さんですよ。
柴の戸の向こうには立派な枯山水の庭園がちらりと見えました。
幹事さんがお店の人に「予約した○○です」と言うと、
「どうぞお靴を脱いでお上がりやす。」
我が家の玄関より遙かに広い玄関で靴を脱いで、示された方向へ長い廊下を歩きます。お菓子屋さんですよ。





広い二間続きの座敷に座卓と座布団が数セット。座敷の周囲は回廊でガラス戸越しに先刻の庭園、反対側にも枯山水の別の庭園。
さらに、奥にもう一つ奥座敷があって、そちらでは和服姿の男女が数人お茶をされていました。








私たちは8帖の間で、一組。メニューはわらび餅、善哉、白善哉、生菓子(抹茶・煎茶などのセット数種)など。お菓子で1000円以上します。
和菓子が苦手な私は生菓子抹茶セット、男性3人はわらび餅、一人だけ白善哉が珍しいから、と注文。
わらび餅は黒いです。餅一つでタバコ一箱の値段です。
生菓子は男性たちに4分割して食べてもらい、私は抹茶だけいただきました。美味しかったです。
白善哉は白い豆の善哉で、見た目は白味噌のお雑煮みたいです。でも、しっかり甘いそうです。

欄間を眺めたり、お庭を写真に撮ったり、喋って和やかに過ごし、そろそろ解散でしょうかね、と言いかける頃、お店の人が来て、はんなりとこの様に言われました。

「申し訳ございませんが、新しく来られたお客様がお車を廻されずに困っておられますので、二台ばかり動かしていただけまへんやろか?」

私たち関西人、すぐにこの京都風の婉曲な表現方法を理解しました。

「あ、はいはい、もう出ます。」

お店の人が行ってしまうと、大阪人も奈良人も兵庫人も、顔を見合わせて、「ぷっ」と吹き出し、

「京都やな〜」
「ですね〜」
「恐ろしいねぇ〜」
「はっきりしてるね〜」

お会計は玄関横の、「普通に」お菓子を販売している(ただし、見本だけ置いてあって、欲しい物は奥から持って来てもらう)ところでお支払いです。

菓子匠を出て、そこで今回は解散。

来た道を帰るのはつまらない、と帰りは国道9号線(西日本の日本海側を通る動脈的国道)を走り、北の亀岡経由で山越え、篠山市に抜けました。
途中吹雪が激しくなりましたが、篠山市街地では雪がなく、そこで以前から気になっていた料理屋さんに入って温かい牛鍋(一人前1500円)で夕食を取って帰りました。

お終い(笑

京都和菓子ツーリング 3




雪の中、八瀬方向へ車を走らせます。洛北は洛中と違って完璧に吹雪状態。積雪も、それなりにありました。一両編成の叡山電鉄と並んで走り(一両だけでも電車の方が速いんですが)、八瀬離宮(皇族の家ではなく、貧乏人にはご縁がない会員制リゾートホテル)を横目に見ながら、大原の里へ。

国道沿いに三千院参拝客用駐車場がいくつかありますが、無視して狭い道を登り、広い駐車場に駐めました。一台500円払って、歩行者のいない参道を歩いて登って行くと、奥にも駐車場があり、400円・・・「損した気分」「いやいや、観光旅行は歩かなあきませんよ」とかワイワイ言いながら5人で三千院に到着です。
ここまで来ると土産物屋が並び、結構観光客も多いです。(みんな奥に駐めてるんだ・・・)

お寺の入り口で、「三千院門跡」と書いてあるのを見て、大阪人が「門跡? 遺跡でも出たんですかね?」「いいえ、皇族関係とかが住職してたお寺のことですよ」
拝観料は700円。あと、中にお賽銭入れが多数ありますが、こちらは自由ですから(笑
有名な角大師の掛け軸や、仏像(巨大な国宝の仏像が無造作(?)に外のお堂にあります。巨大過ぎて盗めないのでしょう。)や、皇族出身の住職がいた「玉座」(俗世を棄てられない証拠)をほぼ素通り同然に見ます。(大阪も奈良もお寺は多いので、みなさん興味ないのです。)











みんなで雪の庭園の写真撮影に没頭しました。お寺の庭の雪景色は本当に美しいです。真っ白な中に一輪赤い椿が咲いていたり、小さなお地蔵さんが雪を被って合掌していたり、池の水面に雪が積もっていたり(氷ではありません)。





気がついたら雪でコートがべとべと。土産物屋さんが熱い梅昆布茶を試飲をやっていて、そこで熱いお茶をいただき、買わずに帰りました。(笑






予定では、この後柴漬けの名店でお土産購入だったのですが、雪が激しいので、「もう漬け物はいいか」となり、お茶を飲みに洛中へ戻りました。

晴れていました・・・

京都和菓子ツーリング 2




さて、折角ただで駐車させてもろたんやから、と神社を見学。でも、誰もお賽銭は払わずに、退散。 幹事さんが写真撮るのに夢中になって足を滑らせて転倒なさいましたが、カメラは死守。流石です。(笑 この人、毎回ツーリングの度に、どこかで転倒する名人です。

昼食は、これも行列が出来るラーメン屋さん。本当は行列してまでラーメン食べたいとは思わなかったのですが、幹事さんがセッティングされていたので。
ここも駐車場が狭くて、全員お金がかかるコインパーキングに駐車。(後でラーメン屋さんが「ごめんなさい」と謝ってくれました。)
行列は、店内にいた客が50人ほど出てから、やっと私たちも店内へ。そこからまた長くて・・・つまり、5人のグループなので、5人分席が空くまでお店の人は次の客を誰も入れないのでした。一人分だけ空いたから、単独の客を先に入れると言うことはしないのね。だから、私たちのすぐ後ろにいた単独の男性客は、文庫本持参で、待っていました。(慣れているらしい)





ラーメンは・・・ずばり言って、並んだ甲斐があって実に美味しかったです。
鶏ガラスープで、ちょっと甘い感じで、テーブルの上に無料のニラの胡麻唐辛子和えが置いてあり、それをトッピングすると忽ち担々麺みたいな味に変身します。一杯で二度美味しい。600円です。焼き豚も自家製らしく、また、鶏の唐揚げが、350円で、ものすごい量。カレー味で、キャベツが山盛り付いています。
大阪人2さんが「この店、採算が取れさえすれば細々とやって幸せだったのに、思いがけず人気が出てしまって正直困っているって言う雰囲気やね。」と批評。

なお、道を隔てた向かいにもラーメン屋さんがありました。客、入っていたのかなぁ・・・

次は大原、三千院。

京都和菓子ツーリング 1

今日の京の都は寒うおした。
大原の里では吹雪に遭いまして、カメラ濡らしたらいかん、言うて、柴漬け買わずに帰って来ました。






最初、洛中では晴れてました。
と言っても、雪が降ったり、晴れたりの曖昧なお天気で。
一番最初、桂川で家人の自動車仲間3人(大阪人2、奈良人1)と合流。
まず、黒豆大福で有名なお店へ。なんでも、午前10時半には売り切れる人気店だそうで、車下りるなり幹事の大阪人さんが走って行って偵察。
「今、並んでないです、今のうちですよ!」の声で男たちは大福を買いに走りました。
京都の商店街と言うのは駐車場がないので、路上駐車です。勿論違反なんですが、もうあっちこっちで路駐やってるんで、すんごく走りにくいです。ブツブツ文句言いながら走って、結局自分たちも路駐です。(苦笑
二軒目は、黒蜜団子で有名なお店。ここも路駐しか仕方がないんですが、不幸中の幸い(?)に、前後で道路工事やってまして、その間が空いていたので、そこにドイツ車3台停まって買い物。(一台だけ路地にいました)パトカーが来ましたが、見て見ぬふりして通り過ぎて行きました。(そんなんでいいのか、京都府警?)この団子屋さんも行列出来る店らしくて、今日は寒いので客が少ない?
三軒目は、黄粉餅炙り白味噌タレ で有名なお店。






あ、すみません、今回は「男の京都和菓子ツーリング」と言うタイトルのドライブだそうです(爆笑

こちらは、駐車場は店にはないのですが、お店が大きな神社の門前にありまして、その神社の境内に無料で駐められることに幹事さんが気がついて、みんなで堂々と駐車。
お餅の店は参道をはさんで同じ炙り餅を売る二軒の茶店が競合していました。
微妙に味が違うとかで、幹事さんはネットで「こっちが美味しい」と言う書き込みの多い方を選択。
白味噌タレは甘くないので、私もこれはいただきました。






う〜ん、私は焼き鳥の方がいいなぁ・・・同じ串に刺して炙るんだったら・・・





さて、次は昼食ですね。